回転型パララクスバリアによる立体画像提示をIPTやHMDなどの既存の立体・没入 型ディスプレイと比較した場合、360度の広視野角で立体画像を提示しながら、 なおかつ特殊な眼鏡の装着を必要としない点がメリットである。観察者が立体視 可能な領域はデバイスの中心に限られるが、円筒型というデバイス形状から、観 察者は自然に立体視可能領域に立つことができる。ただし、頭部の大きな運動が 抑制されるため、運動視差の提示には向いておらず、同時に立体画像を見ること ができるのは原則として一人だけである。また、IPTがプロジェクションによっ て多くの体積領域を必要としているのに対して、回転型パララクスバリア方式で はより少ない体積領域で効率よく没入画像を提示することができる。 一般のパララクスバリア方式との比較で述べると、一般のパララクスバリア方式 ではミクロン単位のスリット幅でパララクスバリアを用いているため、回折の影 響を計算する必要があるが、回転型パララクスバリア方式では、空間解像度の改 善をパララクスバリアの密度ではなく時分割で実現しているため、パララクスバ リアの大きさが数cmのオーダーであり、回折の影響を考える必要がない。 コミュニケーションを利用目的として見た場合、裸眼での立体視が可能な点が非 常に大きなメリットとなる。また、双方向の通信では、観察者への画像の提示と 同時に観察者の画像を取得する必要があるが、提示ユニットが高々数十本のLED アレイで構成されるため、画像の提示面と同じ面内にカメラを配置することが可 能であり、撮像機能との相性がよい。
項目 | 性能 |
提示ユニット数 | 36[組] |
垂直画素数 | 600[pixel] |
水平画素数(360度) | 3168[pixel] |
視力換算解像度 | 0.148 |
提示面半径 | 1000[mm] |
提示面高さ幅 | 1200[mm] |
画素ピッチ | 2[mm] |
回転速度 | 1.66[rps] |
フレームレート | 60[fps] |
輝度階調 | RGB 各 10 bit |
入力フォーマット | UXGA x 2ch |
カメラ解像度 | VGA |
カメラ焦点設置半径 | 950[mm] |
カメラ画角 | 45[deg] |
カメラフレームレート | 15[fps] |
カメラ出力フォーマット | IEEE1394 x 2ch |
主な特徴